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大河滔々と
本校は、明治32(1899)年に埼玉県第四中学校として開校し、埼玉県立粕壁中学校、県立粕壁高等学校、県立春日部高等学校と改称を重ねながら、大河の水がゆったりと、しかし滔々と、確実に流れ続けるように127年の歴史を築いてきました。
「質実剛健」を校訓、「文武両道」を教育方針とし、様々な教科・科目を通して幅広い学問に触れ、世界で通用する総合知を身に付ける学習活動等を実施し、社会の発展に尽くす使命感を持ち、リーダーとして広く社会で活躍できる人材を育成することをスクール・ミッションとしています。この学び舎を巣立っていった卒業生は3万8千人余に達し、埼玉県内はもとより国内外において様々な分野で活躍しています。
平成22(2010)年度から文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の実践校に指定され、国内外の学校や大学等とも協働し、様々な研究や高度な学びを提供できるシステムを構築し、大きな成果をあげてきました。また、令和8年度からDXハイスクールにも指定され、科学的探究活動を進めていくとともに、ICTやAIを活用しながら文理融合型教育の実践としてSTEAM教育等の教科横断的な学習やCLIL(内容言語統合型学習)についても研究から実践段階へと進めます。文理横断・文理融合教育の取組は、知識や情報を組み合わせて新たな価値を創出する人材、多様な他者と協働して社会における課題を発見・解決する人材を育成していきます。また、国際交流では、メルボルン派遣事業をはじめ、大使館の訪問、海外日本語教師の受け入れ等の交流により異文化理解の促進に積極的に取り組み、グローバルな人材を育成していきます。
このような様々な本校の取り組みに、皆さんが強い意志を持って果敢に挑戦することにより、“まだ見ぬ自分”、いわゆる「未見の我」という自分の新たな可能性を見いだし、未来を切り開いていく力を身につけることができると考えています。
100年以上にわたって謳い継がれてきた校歌の中で3番「忍耐剛毅わがつるぎ 誠実質素われがたて」は、春高生の心意気を表しています。春高はこれからも様々なことに挑戦し続け、更なる魅力を高めていきます。輝かしい春日部高校の歴史を一緒に作り上げていきましょう!
令和8年4月1日
第36代校長 角坂 清博
校長ブログ
【校長ブログ】2学期が始まりました!
45日間の夏休みを終え、今日から2学期がスタートしました。はじめに体育館で表彰式、壮行会そして始業式を行いました。久々に仲間とあったうれしさからかとても表情も明るく、テンションが高かったですが、いったん式典が始まると、「ビシィ」とした態度で臨み、春高生の矜持を忘れてはいませんでした。さすがでした。
私からは、始業式の式辞では、社会を担うリーダーを育成することを掲げている本校として「他者の靴を履いてみる」と題して、「エンパシー」の紹介と、それを踏まえて学校生活をどのように過していけたらよいのかについて話を しました。話では分からなかった部分もあるかと思いますので、改めて式辞の概要をを掲載しますので時間があるときに改めて 確認していください。
以下、式辞の概要です。
皆さん、おはようございます。
本日、2学期のスタートにあたり、皆さんに将来、本校の目標である「社会を担うリーダーの育成」の一環として、今、世界で最も重要だと言われている能力について話をします。
その能力とは、英語の古い慣用句にある、この言葉に集約されています。
「他者の靴を履いて、1マイル歩いてみなさい」です。
これは本当に隣の奴の靴を奪って履き替えるという意味ではありません。もし今すぐ「隣の奴の靴と履き替えてみろ」と言われたら、サイズは合わないし、何より部活帰りの靴はちょっと生温かくて嫌です。
この言葉が言わんとしているのは、「自分とは立場や考え方が違う人の立場に、徹底的に身を置いて想像してみる」という意味です。
シンパシー、すなわち「共感」は、気が合う仲間に対して自然に湧き上がる単なる感情です。しかし、今日私が皆さんに求めるのは、あえて頭と想像力をフル回転させて、自分と異なる相手を客観的に理解しようとする、「知性としての共感(エンパシー)」です。一言で言えば、「シンパシーは感情、エンパシーは知性」です。
今、世界中の教育やビジネス、あるいは国際社会の最先端において、「これからのAI時代、リーダーに最も必要なのはこのエンパシーという知性である」と叫ばれています。どれだけテクノロジーが進化しても、他者の痛みを想像し、解決策を生み出す力だけは、AIには絶対に代替できない人間の究極の強みだからです。
この、他者の靴を履くエンパシーによって、世界を大きく変える偉業を成し遂げた人物がいます。皆さんが毎日手にしている「iPhone」を生み出した、アップル社のスティーブ・ジョブズです。彼は、徹底的に「機械が苦手な一般ユーザーの靴」を履き、その不便さを想像し抜いたからこそ、説明書がなくても動かせる「ボタンのない革新的な携帯電話」を創り出しました。しかし、実は、ジョブズ自身、最初からこのエンパシーを持っていたわけではありません。若い頃の彼は、天才的ではありましたが、きわめて傲慢で、周囲の社員の靴を履こうとしない、独善的な人間でした。その結果、周囲からの信頼を完全に失い、彼は自らが創業したアップル社から一度「追放される」という、人生最大の屈辱と挫折を味わっています。しかし、ジョブズが偉大だったのは、その後の長い挫折の暗闇の中で、「他者の靴を履くこと(エンパシー)」の重要性を、痛烈な教訓として学び直したことです。だからこそ、彼は一回り大きく、成熟したリーダーとしてアップルに復帰し、あのiPhoneという、世界中の人々に寄り添う大発明を成し遂げることができたのです。
一方で、同じ天才でありながら、最後までエンパシーを学べずに転落した現代のカリスマもいます。ウーバーの創業者、トラビス・カラニックです。彼は、スマホでタクシーを呼ぶという素晴らしいアイデアで世界的な大企業を創り上げました。しかし、彼には最後まで「他者の靴を履く想像力」が欠けていました。過酷な労働環境に耐えるドライバーや社会の靴を履こうとせず、利益だけを最優先した結果、一瞬で世間から見放され、自分が作った会社から事実上追放されました。
ジョブズは挫折からエンパシーを学んだからこそ復活し、カラニックはそれを拒んだからこそ自滅した。どんなに優秀で強い芯を持っていても、他者の靴を履く想像力を失ったリーダーは必ず孤立し、すべてを失う。これは、現代の社会におけるリアルな生存戦略の教訓です。そして、この「他者の靴を履く」ために、まず私たちが知るべきなのは、「私たちが『正しい』と信じている基準は、相手の置かれた状況や立場によって、いとも簡単にひっくり返る」という事実です。
例えば、ある地下鉄の車内。
数人の子どもたちが騒ぎ、走り回っていました。しかし、その父親は下を向いたまま注意もしません。不快に思ったある女性客が、男性に厳しい口調で言いました。
「子どもが騒いでいるのに注意しないのは良くないですよ。みんな迷惑をしています」
その瞬間、男性はハッと顔を上げ、弱々しい声でこう答えました。
「……すみません。実は、さきほど妻が病院で亡くなったと連絡があり、頭が混乱して、どうしていいか分からなかったのです」
女性は絶句しました。
女性の頭の中にあった「無責任な父親」という絵は一瞬で消え去り、「最愛の妻を亡くして呆然としている夫」という、全く別の景色へと塗り替えられたのです。
相手の背景を知らないまま、自分の物差しだけで他人を判断することは、とても無責任なことです。一歩立ち止まり、相手の立場を思いやり、状況を深く見極められる人間であってほしいのです。
では、この「他者の靴を履くエンパシー」は、どうしたら身につけることができるのでしょうか。
まず、大前提があります。
それは、「自分自身が、自分の靴をしっかりと履き、己の足でブレずに大地に立っていること」、つまり「自分の芯」が確立されていることです。自分の軸がグラグラしている人は、他者の靴を履こうとした瞬間、相手の感情に簡単に流され、自分見失ってしまいます。
では、自分の芯は、どのように確立するのでしょうか?
皆さんは、今の生活をしっかりと送ればいいのです。
日々の授業や部活動、そしてこれからの行事における、「地道な努力の積み重ね」の中にしかありません。「自分にとって本当に譲れない価値観とは、痛みを伴いながら自ら守り抜いた経験の中からしか生まれないから」と教育学者や心理学者は言っています。
夜、自らの意思で机に向かい、「毎日2〜3時間の勉強」という孤独な約束を守り抜くこと。
模試の結果に打ちのめされながらも、「それでも第一志望に行く」と泥臭く机にしがみつくこと。マラソン大会や体育祭で、限界の苦しみの中で、もう一歩を踏み出すこと。
この地道な努力の積み重ねだけが、さまざまな事で苦しみ、乗り越えた結果に、自分の中ではどうしても譲れない価値観ができて「自分だけの頑強な靴」、強固な「芯」を創り出します。その自分の靴でしっかりと大地を踏みしめているからこそ、初めて、他者の靴に足を入れてみることができるのです。
また、同時にエンパシーを持つために心がけてほしいことがあります。それは「相手をよく観察し、事実の情報を集めること」を意識することです。よく観察して情報を集めるからこそ、初めて「相手の靴」の本当のサイズや痛みが、正しく想像できるようになります。そして、相手の様子をよく観察し、「あいつは今、苦しんでいるのではないか」「自分とは違う葛藤を抱えているのではないか」と気づいた時など、相手の尊厳を守り、孤立から救い出すために、次の3つの『態度』を取ってください。
第一に「相手の背景をよく観察した上で、正論で論破しない」ということです。
相手の靴を履き、「今、この人は正論を言われたら余計に傷つくだけだ」と想像できる時は、アドバイスをぐっとこらえ、余計な口を挟まずに、ただ耳を傾けて話を聴きます。
第二に、「相手の尊厳を守りながら、黙ってサポートする」ということです。
例えばマラソン大会で、クラスで最後に走っている仲間が、今にも倒れそうに苦しんでいるとき。「あいつのせいで順位が下がる」と文句を言うのでもなく、偉そうにアドバイスをするのでもない。ただ自分の走りが終わった後に駆け寄り、並走しながら「あと少しだ、一緒に走ろう!」と声をかける。あるいは、勉強でつまずいている仲間に対して、「こんなことも分からないのか」と突き放すのではなく、「ここ、俺も最初苦労したんだよね」と一緒に考える。
第三に、「相手に寄り添う」ということです。
相手の靴を履いて、「あいつは今、一人でプレッシャーに押しつぶされそうになって、孤独な戦いをしている」と気づいたとき、「実は俺も、模試の結果を見て、夜眠れないくらい不安だったんだ」と、あえて自分の失敗や不安などを伝えるなど、「君は一人じゃない。俺も同じように悩む人間だ」と伝えるなど、相手に寄り添うことです。
もし、皆さん一人一人全員が、このエンパシーをもとに支え合うことができれば、もっと、もっと素晴らしい春高になると確信しています。
2学期、まずは自分の芯を鍛え上げ、その上で「エンパシーという知性と想像力、そして謙虚な行動」を持って、全員で、全力で駆け抜けましょう。
以上、この二学期が皆さんにとって充実した日々になることを祈念して始業式の式辞といたします。
【校長ブログ】水泳・卓球大会
今日は水泳・卓球大会です。
炎天下の中、プールサイドでの開会式では、校長の「行くぞ!」という掛け声に「オー」と元気よく応えてくれ、暑さに負けずに大きな声を出してくれたのが印象的でした。一方、卓球大会の開会式では、会場の体育館の冷房がよく効いており快適な環境です。生徒たちは暑さとは無縁の涼しい表情で、「いま一つ気合が足りないかな」という印象でした。
しかし、それぞれの試合が始まると、日ごろの雰囲気とは全く違った一面を出してくれていました。初心者ながらも必死で泳いだり、球を追いかけたりする姿も見られ、とてもすがすがしくも感じられました。
頑張れ、春高生!
【校長ブログ】三者面談
春高祭から3日後の11,12日には3年生の実力考査を行いました。春高生は文武両道の実現のための4つの力「Discipline自己管理」「Self-control自制心」「Switching気持ちの切り替え」「Priority&Persistence粘り強さ」のうち、今回は「Switching気持ちを切り替える力」が必要です。
さらに、6月17日から23日まで、授業を1~4限までとして、原則、保護者、生徒、担任教諭の三者面談を行います。面談では生徒、保護者、そして担任教諭がこれからの学校生活をどのように過ごしていくのか、それぞれ共通理解を図っていきます。また、受験体制に入る3年生にとっては進路を決めていく大切な面談となります。
この三者面談で、毎年3年生には「令和7年度(令和)8年3月)大学進学参考資料」が配布されます。これには昨年度の卒業生のデータ が掲載され、志望校等を決定する上での参考となります。また、合格体験記も掲載されているので自分に合っていると思ったところは実践してほしいと思っています。どの体験記にも共通していることは、基礎的な内容は3年生の夏休みまでに固めていること、そして志望校合格に向けてしっかりと計画を立ており、そしてその計画を必ず実行するという強い覚悟を持って臨んでいるということです。
吉田松陰の言葉に「思うに人読まず。もし読むとも行わず」ということばがあります。人は本を読まないものだ、読 んだとしてもその内容を実行しないものだという意味です。行動に移すことができない理由を考えて何もやらないのではなく、まずは行動に移すことが大事であると思います。
なお、1,2年生にも各クラスに2冊ずつ配布されますので参考に読んでください。勉強と部活動等を両立するためには毎日ある学校の勉強を中心に据え、定期考査を基礎力の定着に活用するなど効率的な勉強をしていることです。また、志望校の決定は1年生の終わりごろから3年生の11月頃と時期は様々ですが、いったん決まれば強い覚悟を持って実現に向けて取り組んでいます。
それぞれの学年で、自分がこれから何をしていかなければならないかをよく考え、この3者面談がこれからの学校生活を考えていく上でのきっかけになってほしいと考えています。
頑張れ、春高生!
【校長ブログ】第70回春高祭2日目
春高祭2日目となりました。一般公開は10:00~16:00となっております。天候も心配されますが、春高生の熱量と勢いで吹き飛ばしてほしいと思っています。素晴らしい入場門ができました。門のモチーフは「冬宮殿(エルミタージュ美術館)」です。
【校長ブログ】第70回春高祭
今日から2日間にわたる第70回春高祭が始まりました。一般公開1日目は12:00(OP後)~16:00となっております。
本校はこの八木崎の地に誕生して127年になります。創立当時から「質実剛健」を校訓、「文武両道」を教育方針として伝統を培ってまいりました。この一大行事である春高祭がコロナ期を除いて中断することなく続き、毎年1万人を超える来場者数を集めることができるのも、多くの方々の御支援、御協力の賜物と深く感謝申し上げます。
今年の春高Tシャツにある「桃紅柳緑(とうこうりゅうりょく)」は、桃の美しい紅い花と柳のあざやかな緑の葉から春の美しい景色を表しています。春高生一人一人が輝き、春高が光輝く風景を重ね合わせています。輝くとは、失敗を恐れず目の前のことに果敢に挑戦し、たくさんの失敗をしながら大きく成長することであると私は考えています。
春高生にとって春高祭は、日ごろの学校生活の中で培った春高文化を披露する場であると共に、「我も春高生の一員である」という熱い団結心と春高魂という気概と誇りを感じることのできる場でもあります。どうかこの春高の文化や芸術の美しさや面白さ、そして楽しさとともに、春高生の底知れぬ光り輝くエネルギーも感じていただければと思います。
本校は全日制と定時制の生徒会・文化祭実行委員会が協力して開催しています。春高祭開催に当たり、彼らが知恵を絞って工夫を凝らし、より進化した春高祭にしてくれると信じています。
御来校いただいた皆様には、時間の許す限り、ごゆっくりとお楽しみいただければ幸いです。