校長ブログ
【校長ブログ】第81期入学式
本日、13:00から、第79回入学式を挙行いたしました。天気にも恵まれて将に春爛漫の中での式典でした。各担任の先生から呼名された新入生たちそれぞれが、元気いっぱいに大きな声で返事をしてくれました。
新入生代表の髭田 泰斗君からは、本校の校訓「質実剛健」、教育方針「文武両道」を体現し、先輩たちの受け継いできた伝統をしっかりと守っていくとの旨の代表宣誓をしてくれました。とても力強い言葉に頼もしさを感じました。
校歌披露では、先輩たちも入学生代表宣誓の言葉を受けとめ、応援指導部の演舞のもと、吹奏楽部の演奏、そして野球部員たちの大きな声で校歌が盛大に披露されました。「これが春高の校歌である。しっかり歌い継げよ」と言うメッセージを感じました。新入生も盛大な拍手でそのメッセージに応えていました。
これからの新入生358名が充実した学校生活になるよう願っています。
以下に、入学式校長式辞の概要を掲載します。
ただ今、入学を許可いたしました三百五十八名の第八十一期 新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。新入生の皆さんは、御自身の努力はもとより、御家族・恩師をはじめ、関係の皆様の御支援が実り、見事に入学者選抜を突破されました。豊かな才能と意欲に溢れる皆さんを本校にお迎えすることができ、私たち教職員並びに在校生一同、大きな喜びに溢れています。皆さんの入学を心から歓迎いたします。
本校は、明治三十二年、埼玉県第四中学校としてこの八木崎の地に開校し、百二十七年の県下有数の伝統を持つ高等学校です。旧制中学校以来の校訓である「質実剛健」のもと、勉学のみならず、多彩な⾏事や部活動を通して仲間たちと切磋琢磨し、⾃らを鍛錬する「⽂武両道」をめざしています。
⼀⽅で、社会の急速なグローバル化や情報化、⾼度な技術⾰新といった変化にも対応できる教育活動を⾏っています。⽂部科学省からは「スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)」、DXハイスク―ルの指定を受け、ICTやAIなどのデジタル技術を踏まえ、専⾨性の⾼い理数教育を通じて科学的思考⼒の育成を図るとともに、課題研究の授業等において、チームとして協同できる⼒やプレゼンテーション能⼒を養うなど、⽂化、社会、科学技術等、幅広い分野において、「次代を担うリーダー」として活躍できる⼈材の育成を⾏っています。
しかし、春高に3年間、ただ在籍すれば自動的に「次代を担うリーダー」になるわけではありません。そのために、皆さんに心がけていただきたいことを3つお話しします。
一つ目は、「様々なことに挑戦すること」です。
校訓である「質実剛健」とは、飾りを捨て、真摯で、心身ともにたくましく健やかな人間であることです。新しい飛躍は、飾りを捨てて、本当の自分を見つめることから始めます。まずは、今日を境に、中学校時代の栄光を自ら封印し、今日から新たな挑戦とその努力をし続けることです。皆さんは、この最高の環境の中で、様々な可能性を持った、まだ見ぬ自分と向き合うための舞台に立っただけです。皆さんには、この舞台で失敗を恐れず、本校での授業や部活動、学校行事など、様々なことに挑戦し、新しい自分へと飛躍して行ってください。
二つ目は、「広い視野と社会の出来事に課題意識を持つこと」です。社会に出て、一人の人間として相手から信頼され、尊敬されるのはどんな人物でしょうか。それは、仕事の知識や判断力などを持っているのはもとより、人間としての魅力があるかどうかです。その魅力とは広い視野を持っている人とも言えます。広い視野を持つためには、自分の視点では決して到達できないような「新しい視点」を、書物や他者の考えを聞いたり議論したりして、モノの見方を広げていくしかありません。そのためには2つのことが不可欠です。一つは、「絶対的な基礎学力」です。確かな知識という足場がなければ、書物や人から話を聴いたり、議論したりしても内容は深まりません。これから皆さんが学ぶ学校の勉強は受験のためにあるのではなく、その先の皆さんが社会に出るための武器になります。もう一つは「わからない」ことは正直に認め、他者の優れた意見を吸収するという「誠実さ」を持つことです。この誠実さこそが自分の知識を深めていくことにつながります。そして、併せて「社会の出来事に課題意識を持つこと」です。それは社会貢献の視点を持つことにつながります。課題意識を持っていない人からは課題を解決していくための考えや行動は決して生まれません。将来、魅力ある社会人として活躍するためにも、是非、このことを意識してほしいと思います。
そして三つ目は、「生涯の友を得ること」です。
高校生活では、様々な個性を持った友人との出会いも極めて有意義なことです。勉学のみならず、多彩な⾏事や部活動を通して仲間たちと切磋琢磨し、豊かな⼈間関係を築き、⾃分とは異なる考えや、価値観があることを学んでください。そして、お互いに相手のことを思いやり、いいところを認め合い、励まし合う生涯の親友、素晴らしいライバルを作り、自らの才能に磨きをかけてください。一人ではできない困難な壁にぶつかったとしても、皆で一緒に取り組めば乗り越えられます。
以上、三つのことを申し上げました。「様々なことに挑戦すること」、「広い視野と社会の出来事に課題意識を持つこと」、そして「生涯の友を得ること」です。次代を担うリーダーとしての自覚と誇りをもち、日々の生活を過ごしてください。皆さんの活躍を期待しています。
次に、御列席の保護者の皆様に申し上げます。
御子息の御入学、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
高校の三年間は、将来の生き方・在り方を方向付ける大事な時期であり、悩みや苦しみの最も大きいときでもあると思います。私たち教職員は、御子息が自らの生きる道を自分の力で切り開いていけるよう、教育活動を展開してまいります。
御家庭におかれましては、本校の教育方針を御理解いただき、御支援と御協力を賜りますようお願いいたします。
結びに、本日、御列席を賜りました皆様に改めて御礼申し上げますとともに、新入生の皆さんの高校生活が充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。
【校長ブログ】令和8年度スタート
さわやかな風がそよぎ、あたたかな日差しが差し込むこのよき日に、新学期を迎えることができました。いよいよ令和8年度がスタートしました。今日の午後からの入学式で新入生358名が加わります。2,3年生の春高生の皆さんは、それぞれ学年も上がり、新しい環境で、新たな目標を掲げ、今年度も頑張っていこうという気持ちで胸を膨らませているのではないでしょうか。その気持ちを忘れず、充実した1年にしてほしいと願っています。
さて、4月8日、新任式、第1学期始業式を挙行いたしました。
新任式では、今年度から転入された先生方の紹介を行いました。
壇上に上がった新転任の教職員の方々も緊張気味でしたが、全校生徒の大きな拍手に迎えられ一安心した様子でした。これから春高生をよろしくお願いします。
また、国際交流事業の一環として今年度も留学生1名を受け入れました。フランスからGATEL,Esteban君です。日本のアニメやバレーボールに興味があるとのことです。留学に挑戦するという勇気に敬意を表するとともに、充実した1年を過してほしいと願っています。
始業式では春高生に、目標を立て、その実現のために諦めず努力すること、そして夢を持ち挑戦する1年にしてほしいと伝えました。
「ブレイクスルー」(長い間、できなかったことがある日突然できるようになる瞬間)は必ず起きると信じ、気概を持って今日からその一歩を踏み出してください。期待しています。
頑張れ、春高生!
なお、参考として以下のとおり、式辞の趣旨を掲載しました。御覧ください。
今日は、始業式にあたり、皆さんにとって、聞きなれない言葉だとは思いますが、「ブレイク・スルー」という言葉について話をしたいと思います。
「ブレイク・スルー」とは、長い間できなかったことが、ある日突然できるようになる瞬間のことです。努力を続けていると、ある時ふっと視界が開けるように、壁を突き破るように、できるようになる瞬間が訪れます。
しかし、この「ブレークスルー」、厄介なのは、地道な努力を長い期間、それは1か月かもしれないし、3カ月、いや半年以上かかるかもしれない、いずれにせよ、相当長い期間コツコツと続けなければ、なかなか成果が表に現れてこないということです。
最初の頃、練習や勉強を繰り返し行っても、なかなか上手にできない、結果が出ない。何日も何日も「やってもダメ」の繰り返しで、こんな日が続くと、本当につらい。何度もやめたいと思うようになってしまいます。残念なことに、ここであきらめてしまい、続けていた勉強や練習を やめてしまう、または、安易に志望校を変えてしまったり、当初の目標を下げてしまったりということが、結構あるのかもしれません。
そんな時、少しでもいいから結果が見えてくるまで、もう少しがんばってみようとなんとか努力を続けるか。または、もうこれ以上はできないとあきらめてしまうのか。ここに大きなターニングポイント、分岐点があるのではないでしょうか。
数学者アンドリュー・ワイルズは、フェルマーの最終定理を証明するまでに七年もの間、ただひたすら研究を続けました。彼はこう語っています。「努力し続ける者にだけ、数学はその美しさを見せてくれる。」これは数学に限らず、皆さんの人生にもそのまま当てはまる言葉です。努力は、すぐに結果として現れないこともあります。しかし、続けることで必ずブレイクスルーの瞬間が訪れます。
この一年、皆さんにはぜひ目標を立ててほしいと思います。進路に向けた学習でも、部活動での成長でも、資格取得でも、新しい挑戦でも構いません。大切なのは、自分で決めた目標に責任を持ち、やり遂げようとする気概です。失敗を恐れず、挑戦し続ける姿勢こそが、皆さんを大きく成長させます。
そしてもう一つ、皆さんは「アルテミス計画」を知っているでしょうか。NASAが進めている人類を再び月へ送り出す計画です。今回は女性や多様な背景を持つ宇宙飛行士が月面に立つことが期待されています。さらにその先には、火星探査という壮大な目標もあります。日本人宇宙飛行士もこの計画に参加し、国際的な宇宙開発に貢献しています。映画にもなったアポロ13号が、地球に戻るために月の重力を利用して推進力をえるスイングバイをするため、月の裏側まで行った際に地球から最遠距離を樹立しました。それから56年ぶりに記録を更新しました。
宇宙開発は、人類の「夢」と「挑戦」の象徴です。そしてその挑戦は、今の高校生である皆さんの未来につながっています。宇宙飛行士になることも、ロケットを開発することも、宇宙の研究をすることも、月や火星での生活を支える技術を作ることも、決して遠い世界の話ではありません。今の皆さんの努力の延長線上にある未来です。
皆さんの中には、「自分には無理だ」と思う人もいるかもしれません。しかし、最初からできる人などいません。宇宙飛行士の野口聡一さんは、学生時代は特別優秀だったわけではないと言います。ただ、目標を持ち、努力を続けた結果、宇宙へ行くという夢を実現しました。夢を持つことは、人生の方向を決めるコンパスのようなものです。そして努力は、そのコンパスが指す方向へ進むためのエンジンです。
皆さんには、無限の可能性があります。その可能性を引き出すのは、他の誰でもなく、皆さん自身です。目標を立て、諦めずに努力を続け、夢を持ち挑戦する。この三つを胸に、新しい一年を歩んでほしいと思います。ブレイクスルーは必ず訪れます。その瞬間を迎えるために、今日から一歩を踏み出してください。
皆さんの成長と挑戦を、心から期待しています。
頑張れ、春高生!
【校長ブログ】令和7年度修了式
本日は令和7年度の修了式です。その前に表彰式、そして修了式後に、埼玉県教育委員会のグローバルリーダー育成プロジェクトに参加した生徒による報告発表がありました。
表彰式では囲碁部が全国高等学校囲碁選抜大会男子団体で4位と、輝かしい成績を飾り、横山蒼大君、橋本航太君、北崎友彬君を表彰しました。
また、本校代表として参加した2年生の奥田啓太君が埼玉県教育委員会のグローバルリーダー育成プロジェクトで8回の研修を受けた成果を1,2年生全員の前で堂々と発表してくれました。1月に研修したシンガポールは、多くの民族の人々が集まった多文化共生社会を形成しており、国主導の政策が多く、日本の比較的自由な取り組みとは大な違いを感じたことや、日本の良いところやそれ以外のところなど、客観的に見ることができ、視点が変わることで見方が変わることを実感することができたとの旨の感想を語ってくれました。改めて、今回のプロジェクトに積極的に挑戦し、ことのような発表をしてくれたことに心より敬意を表したいと思います。
校長式辞では、阪急電鉄を一流企業に成長させた創業者、小林一三氏を紹介し、若者へのメッセージを通して、4月からの新年度に向けて戦略的に計画を立て、やるべきこと、与えられた仕事、やると決めたことに対し、全力を尽くし、完璧にやり遂げてみせる。その心意気を持って、日々の生活に臨んでほしいと伝えました。
頑張れ、春高生!
おはようございます。
今年度の最終日となりました。令和7年度を振り返って、皆さんがそれぞれ年度初めに立てた目標をどのくらい達成できたでしょうか?私の願いは、来年度に向けてしっかりと振り返り、新たな目標をたて、その目標をやり切るという強い意志を持って取り組んでほしいということです。
そんな願いを込めて今日は、新年度を見据えてある人物を紹介します。それは、阪急電鉄を一流企業に成長させた創業者、小林一三氏です。
まず、その阪急電車ですが、20世紀の初めに鉄道開設が計画された段階では、まだまだ沿線には住民が少なく、利用者が増えるというような見込みはない状況でした。しかし、そこから先を見据えた様々なアイデアを駆使して、数々の事業を実現させていくことで利用者を獲得し、活気ある鉄道路線へとなっていきます。たとえば、鉄道沿線の住宅開発を鉄道開設と同時に進めるこ とで乗客を増やし、郊外の住宅から電車で通勤するというライフスタイルを世の中に定着させていきます。また、郊外にある宝塚に宝塚歌劇団をつくり、都心部にある梅田には世界初の駅直結のターミナルデパート阪急百貨店をつくります。それらによって、沿線の住民が通勤での利用客としてだけでなく、買い物やレジャー目的の利用客としても阪急電車を利用するというスタイルをつくってしまいます。つまり、今から100年も前に、後に他の私鉄がこぞって真似するような私鉄経営のビジネスモデルを創り、同時に今に繋がる日本人のライフスタイルまでも創ってしまったわけです。
その小林一三氏が語ったとされる言葉を紹介します。
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら誰も君を下足番にしておかぬ。」
昔は料亭、芝居、寄席などの大勢の人が集まる場所で客のはきものを出し入れする下足番という仕事がありました。しかし、誰もが望んでやりたい仕事とはいえないものだったのです。そんな仕事でも、与えられた仕事にベストを尽くしていれば、平凡なことでも完璧にやり遂げていれば、そのうち信頼されるようになって周りが放っておかなくなる。そんな意味です。また、関連して、これから社会に出ていく学生たちへはこうアドバイスしたそうです。
「必要な人になることが肝要で、どっちでもいいと云ふ人間になっては駄目だ。」
社会では、第一段階の「便利な人」、第二段階の「必要な人」、第三段階の「特色ある人」とステップアップしていくと小林一三氏は考えていたようです。まずは第二段階の「必要な人」になることが重要だと説いています。ここで言う「便利な人」とは、常識的で誠実に仕事をする人のことで、こういう人がいてこそ会社はまわっていくのだが、良く言えば真面目でも、悪く言えば平凡な人である。それに対して「必要な人」とは、自分の持つスキルや知識を周囲の人たちに役立ててもらえる人で、その分野のことならこの人に聞けばわかると言われるような人である。まずは、そのような人になりなさいとアドバイスしたわけです。
一つの仕事にベストを尽くす。そうして、その道のエキスパートになる。ある一つのことに対してその人でなければならない人間になる。そうすれば、周りがあなたを認め、信頼するようになる。周りがあなたを放っておかなくなる。そうアドバイスしているのだと思います。
1年生はいよいよ上級生になります。後輩たちの模範となるように常に意識してください。中だるみをする高校2年生は全国にたくさんいます。しかし、自分の進路を本気で実現しようと考えているものは勉強も部活動も1年生の時以上に一生懸命取り組んでいます。トップ校と言われる高校生は中だるみをしている暇はありません。学習をしっかりとした上で、部活動や学校行事など、人間力を高める活動に積極的に取り組んでください。
2年生は、4月から受験生です。巷でいう3年生0学期は今日で終了です。共通テストまであと300日足らずです。第一志望校に合格できるよう、全力で勉強に取り組んでください。本気になって3000時間は確保してほしい。過日、2年生に向けた合格体験を聴く会では、勉強と部活動を両立していた先輩方は、部活をやっている時期でも常に戦略的に計画を立て、それを着実に実行していたという共通点がありました。また、自分の立てた目標を実行するために、部活動でもクラスメイトでも同じ志を持った友人同士が集い、一緒に勉強していた方が多かったようです。一人では続かないことが友人同士で切磋琢磨する中で、頑張ることができたというのです。よく、受験は個人戦であるが、団体戦でもあるといいます。まさにこの事を言っているのだと思います。
4月からの新年度に向けて戦略的に計画を立て、やるべきこと、与えられた仕事、やると決めたことに、とにかく全力を尽くし、完璧にやり遂げてみせる。その心意気を持って、日々の生活に臨んでください。皆さんの頑張りを期待しています。
皆さんならできます! 頑張れ、春高生!
【校長ブログ】第78回卒業証書授与式
本日、3月14日、春日部高校では、第78回卒業証書授与式を挙行いたしました。卒業生の皆さんの門出を心よりお祝い申し上げます。また、これまで生徒たちを温かく支えてこられた保護者の皆さまに、深く感謝申し上げます。
式典では、昨日の校長ブログで、”呼名の際に、皆さんの思いを壇上からしっかり受け止めています”と書きました。卒業生もそれに応えてくれたのか、本当に真摯な態度で思いが伝わってきました。そして、心が震え、鳥肌が立つような素晴らしい態度と歌声で校歌を謳ってくれました。とても感動しました。本当にありがとう!
式辞では「世界を変えるのは君たちである」という言葉を贈りました。若い世代こそが新しい常識をつくり出す存在です。AIや量子技術など社会が大きく変わる今、文系・理系を問わず、皆さんの学びと自由な発想が未来を切り開く力になります。経験の少なさは弱点ではなく、固定観念に縛られない強みです。校歌に込められた精神を胸に、三万八千人を超える先輩たちに続き、社会で活躍し後輩の良き目標となることを期待しています。
また、本校PTAの皆さまには、年間を通じて多方面から学校教育を支えていただきました。総会や理事会の運営、広報誌の編集、進学に関する研修企画、進路講演会や秋のフェスティバルの開催、さらには春高祭での活動や国際交流のサポートなど、実に幅広い取り組みを担っていただきました。こうした活動は、生徒たちの学びと学校生活を豊かにし、安心して過ごせる環境づくりに大きく寄与してくださいました。学校を代表し、心より御礼申し上げます。
保護者の皆さまにおかれましては、今後とも本校へのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
本日はおめでとうございました。
式辞の要旨も掲載します。
式辞要旨
厳しかった冬の寒さも日増しにやわらぎ、春の息吹を感じる季節になりました。この春の佳き日に、埼玉県立春日部高等学校 第七八回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、在校生、教職員一同、この上もない喜びでございます。
ただ今、卒業証書を授与しました352名の78期生の皆さん、卒業おめでとうございます。保護者の皆様におかれましては、御子息の御卒業、心からお祝い申し上げます。この三年間は様々な御苦労、御心配があったことと拝察いたします。御子息は本校の高校生活をつうじて、逞しく立派に成長されました。御子息を支え、育まれて来られたことに対しまして敬意を表しますとともに、これまで本校の教育活動に御理解と御協力、御支援をいただきましたことに心より感謝申し上げます。
卒業生の皆さんがこの春日部高等学校で過ごした三年間は、決して容易なものではありませんでした。しかし、その歩みは確かな成長と誇りに満ちていました。今年度の学校行事では、「先輩たちが築いてきた伝統を継承し、新たな伝統を創る」という強い意志をもって皆さんは後輩たちを見事に牽引しました。春高祭では1万人以上の来校者を集め、大運動会では、校庭に水を打ったような静寂が広がる中で、凛とした表情で披露した春高体操の演技、そして、一万メートル大会では、手を抜くことなく、全力で走り抜く姿を見せてくれました。その姿は後輩たちの模範であり、春日部高校の伝統を未来へとつなぐ力そのものでした。皆さんが示したリーダーシップと責任感に、心から敬意を表します。
さて、皆さんがこれから社会へと歩み出すにあたり、私から一つ、心に留めていただきたい言葉があります。それは、「世界を変えるのは、君たちである」ということです。これは決して比喩ではありません。皆さんの世代こそが、これからの社会のあり方を決定づける存在なのです。「パラダイムシフト」という言葉があります。これは、20世紀を代表する科学史家トーマス・クーンが著書『科学革命の構造』で示した概念です。パラダイムとは「ある時代に共有された常識」をいい、その古い常識が新しい常識へと移り変わることを「パラダイムシフト」と呼びます。天動説から地動説への転換、ニュートン力学の誕生、ダーウィンの進化論など、科学史における大きな転換点はすべてパラダイムシフトです。
科学の大転換は、論破や説得によって一気に起こるのではなく、新しい考え方を受け入れる若い世代が増えることで、長い時間をかけて実現する「世代交代」であると、クーンは述べています。地動説が正しいとわかっていても、当時の多くの学者は自説を曲げませんでした。しかし、新しい世代の研究者が冷静に比較し、地動説を支持するようになった結果、主流が入れ替わったのです。つまり、正しい考え方を選び続ける人が増えれば、時間はかかっても必ずパラダイムシフトは起こる。未来を変える力は、若い世代の選択と行動にかかっているのです。
皆さんがこれから歩む社会は、AI、量子技術、再生医療、環境科学など、あらゆる領域で新たなパラダイムシフトの入口に立っています。世界の仕組みそのものが、これまでの常識では測れない速度で変わろうとしています。クーンはこうも述べています。「新しいパラダイムを生み出すのは、非常に若い人か、その分野に新しく入ってきた新人である」と。なぜなら、新人は古いルールに縛られず、「このルールって、おかしくないか?」「なんでみんな、わざわざこんなことをしているのか?」「もっと簡単にできるんじゃないか?」など、素朴な違和感こそが、新しい時代を切り開く原動力になるからです。また、こうした変革は理系だけが起こすものではないということです。社会の制度を設計するのは法学や政治学の知見です。人々の行動や価値観を読み解くのは経済学・社会学・心理学です。文化や言語を理解し、人と人をつなぐのは人文学の力です。新しい技術を社会に受け入れられる形に翻訳し、物語として伝えるのは文学や芸術の役割です。理系、文系のどちらが欠けても、社会は前に進みません。皆さん一人ひとりの学びが、これからの社会にとって欠かせない力なのです。
偉大な先人たちも、最初は皆さんと同じ“新人”でした。新人には経験がありません。知識も技術も、まだ十分ではありません。ときには失敗し、悔しい思いをすることもあるでしょう。しかし、経験が少ないことは欠点ではありません。むしろ、固定観念に縛られず、自由に発想できるという最大の強みです。
どうか、目の前の課題に誠実に向き合ってください。一見無駄に見えるものにも価値の芽を見つけてください。そして、違和感を大切にし、常識を疑い、自分の目で真実を見極めてください。皆さんには、世界を変える力があります。理系であれ文系であれ、その力は必ず未来のどこかで必要とされます。そして、どうか恐れずに挑戦し、逆境を乗り越え、自らの手で未来をつくってください。皆さんのこれからの歩みに、心から期待しています。
100年以上にわたって謳い継がれてきた校歌の中で3番の「忍耐剛毅わがつるぎ 誠実質素われがたて」は、春高生の心意気を表しています。旧制粕壁中学校時代を含めると先輩たちは三万八千人を超えます。その先輩たちは社会の様々な分野で活躍し、我が国の発展に貢献されてきました。この春日部高等学校の卒業生としての誇りを胸に、先輩たちを越える活躍を目指すとともに、皆さんに続く後輩たちの良き目標となるような社会人に成長することを期待しています。
結びに、本日、御多忙の中、御臨席を賜り78期生の前途を祝福してくださった御来賓の皆様、御列席をいただきました保護者の皆様に再度お礼を申し上げ、式辞といたします。
【校長ブログ】卒業式を前に
昨日12日は、体育館で表彰式と壮行会を行いました。表彰の対象は、囲碁部、弓道部、陸上競技部の皆さんです。壮行会では、水泳部が日本選手権水泳競技大会50mバタフライ、囲碁部が全国高等学校囲碁選抜大会男子団体戦、弓道部が東日本高等学校弓道大会団体への出場に向けて紹介され、選手の皆さんには大会への意気込みを語ってもらいました。全国レベルの舞台に立つということは、日々の努力の積み重ねがあってこそです。その歩みに心から敬意を表します。各都 道府県の強豪校が集う大会ですが、学校全体で応援しています。どうか臆することなく、胸を張って、自分たちの力を存分に発揮してきてください。健闘を祈っています。
さて、今日は、明日の卒業式に向けて予行を行いました。式の流れを全員で確認し、卒業生の表彰も行いました。表彰内容は次のとおりです。
・3か年皆勤賞
・在学中、学業が優秀であった児童生徒表彰
・スポーツ・体育分野で優秀であった体育優良賞
・文化部で優れた活動を行った埼玉県高等学校文化連盟賞
・赤十字の精神を理解し、積極的に活動した青少年赤十字児童生徒表彰
春高を力強く支えてくれた生徒たちであり、その努力と姿勢に心から感謝しています。
卒業式では、担任の先生から名前を呼ばれると、卒業生は「はい」とはっきり返事をし、背筋を伸ばして起立します。そして、壇上の私の方へ体を向け、丁寧に会釈をします。
その一連の動作の中には、3年間の歩みや、今の気持ちが自然と表れます。返事の声の張り、立ち上がるときの姿勢、会釈の深さや表情。その数秒間に込められた思いを、私は壇上からしっかり受け止めています。この3年間の高校生活が、皆さんにとってかけがえのない時間となっていたなら、校長としてこれほど嬉しいことはありません。
明日の卒業式は、皆さんの新たな旅立ちの日です。春高で培った力と仲間との絆を胸に、自信を持って次のステージへ踏み出してください。心からお祝い申し上げます。