校長ブログ

【校長ブログ】リベラルアーツ(教養主義)がめざすもの~春高と東大の教養講座~

 9月16日、春日部高校で中村達郎教諭の教養講座が始まりました。校内の募集ポスターには「受験勉強をする場ではありません」「“人生にちょっと役に立つかもしれないこと”を中村を含め、皆さんと一緒に考えていく教室です」「薬学部や医学部を考えている生徒には、ぜひ来てほしい」など、挑戦的は言葉が続きます。午後7時からの開講でしたが、1、2年の希望者24名が参加しました。校長も開講に参加しましたが、講師の生物科中村達郎教諭の他、国語科、公民科の教諭や養護教諭、主任司書も参加する教科横断的な開講となりました。中村達郎教諭は、開口一番「本講座の教養とは、物事に対して、自分で考え、自分の考えを伝えること」と定義して、生殖医療の第1タームが始まりました。新型出生前診断に関するVTRを見て、生命倫理について考えます。

 東京大学でも教養学部が主催して「高校生と大学生のための金曜特別講座」の募集が始まり、春日部高校内でもポスターを掲示して生徒に参加を促しています。大学改革で全国の大学の教養課程が改編される中で、東京大学教養学部では1993年度より1年生の必修科目「基礎演習」が設けられました。この科目のテキストとして小林康夫、船曳建夫 編 『知の技法』(東京大学出版会 1994年)が出版されました。学問を紹介すると共に、論文の書き方、口頭発表の仕方、資料の集め方等が収められており、今日までで累計で46万部を超えています。

 今回の講座参加生徒からは、「普段は触れない問題だったので考えるのが難しいが、今必要な意見を探せそうだ」「同じ人間でも意見が時によって違い、判断はその場限りのものではない難しい問題なのだと分かった」などの感想がありました。

 日本も、世界も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止という課題に立ち向かっています。まさに「正解」のない課題です。「正解」は一つではないでしょう。生徒の皆さんの今までの勉強の多くは、一つの答えのある問題を解くことでした。しかし、このように何が問題か分からない場合もあれば、問題が分かったとしても誰も答えを知らないという状況に遭遇します。21世紀を生き抜く皆さんは、この「解」のない課題に立ち向かう能力を身に付けることが必要だと思います。春日部高校では、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)など知的好奇心を刺激する教育活動に積極的に取り組んでいます。