校長ブログ

【校長ブログ】令和6年度 第3学期始業式

 本日、1月8日から令和6年度第3学期が始まりました。体育館で全校生徒が集まり、表彰式、壮行会、始業式を行いました。

 私からは、始業式で校長式辞の概要を掲載しましたので御覧ください。

 校長式辞

 皆さん、あけましておめでとうございます。

 昨年の1月1日に発生した能登半島地震から1年が経ちました。被災地の一日も早い復興と、被災された皆様の生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。

 さて、今日から3学期が始まりました。何事もなく、元気な皆さんに会えて本当にうれしく思います。昨年12月25日に、文部科学省は中央教育審議会に対し、次期学習指導要領改訂に向けて小中高等学校の教育課程についての在り方について諮問しました。内容は、生成AIの発展などを踏まえ、知識の集積だけでなく、深い意味の理解を促す学びのあり方などが検討課題としています。
 おそらく、これからの社会では、この生成AIを、ファクトチェックしながら使いこなしていかなければダメな時代になっていくかもしれません。今日はその背景についてお話をします。
 私は、人工知能(AI)プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」のディレクターを務める新井紀子(あらい のりこ)先生の話を思い出しました。現在、先生は現在国立情報学研究所社会共有知研究センター長・教授であり著書も多数あります。
 この「ロボットは東大には入れるのか」は、現在及び近未来のAI技術・ロボット技術が導入されることで、2030年の社会がどのように変化するかを科学的に明確化することを目的にしています。大学入試をベンチマークとすることで、人間が教育を通してのみ獲得できるスキルや専門能力について挑戦できるとして2021年に東大入試突破を目指し立ち上げたものです。

 結果は、東大には合格できませんでした。しかし、MARCH・関関同立クラスの大学の70%で、合格可能性を80%以上達成したとのことです。ここで問題なのは、「AIは意味が理解できない。正しさは保証できない」にもかかわらず、受験生の上位にAIが入っていることです。
 AIは、問題からキーワードをいくつか選択し、検索をかけ、組み合わせが高く出た結果をもとに解答しています。また、数学では、数学の公式や表現をすべてコンピューター用語に変換して計算します。つまり、AIは、問題文章は読めないし、解答が必ずしも正解とは限らないのです。
 例えば、「山口とは友達だ。私は山口と岡山に行ったことがある」という日本語をAIである自動翻訳サービスにかけて英訳したところ、"Yamaguchi is a friend. I have been to Yamaguchi and Okayama."という英文になりました。「山口とは友達だ」と言っているのですから「山口と一緒に岡山に行った」、つまり"I have been to Okayama with Yamaguchi."でなければおかしいです。ところが自動翻訳サービスでは「山口」を地名だと判断してしまっています。AIは、まだこの程度の文脈も読み取れないことがあるわけです。
 しかし、多くの学生たちが、AIと同じような間違いをしていることが明らかになったのです。このことは、「汎用的読解力」が不足しているということを意味しています 。汎用的読解力とは、分野を問わず、また自分にとって相性が合うか、合わないかとは無関係に、与えられた文章を基本的な構造に従って読み解く力のことを言います。
 この結果に危機感を持った国は、今回の学習指導要領の改訂で知識の集積だけでなく、深い意味の理解を促す学びのあり方などが検討課題としたのです。共通テストで数学でも読解の部分が増えてきているのはその表れです。

 今から汎用的読解力を高めたいと思うのであれば、様々な分野の本を、多読すること、そして速読するのではなく、一字一句、精緻に「正しく読む」ことです。また、自分の視野も広がり、効果的であると考えます。是非、チャレンジしてください。

 さて、新年も始まり、皆さんはどんな目標を設定したでしょうか?
 
 3年生は1月18日から共通テストが始まります。2学期の終業式でも話をしましたが、焦らず、慌てず、諦めず、強い意志と勇気を持って、そして、時には心を静かに、自分を信じて最後までやり切ってください。担任の先生、学年の先生はもちろんですが、私たちは、いつでも皆さんを応援しています。

 1、2年生は、春高生としてのこれまでを振り返り、3学期や4月からの新年度につながるよう、2学期を振り返って自己評価をし、学習事項の総復習、部活動などでの新たな目標設定をしたでしょうか。
 今一度、現在の生活を振り返ってほしい。自分自身を高めるためにも前向きな努力を続けてほしいと思います。


 私からは以上です。