報告

【令和6年度SSH】特別講義「微分方程式」 大島先生

10月1日(火)は本校数学科 大島和重先生による「微分方程式」の講義です。

色々な現象を説明する道具である「微分方程式」ですが、「人間社会の歴史」にも密接な関係があります。

 

まずは「物体の運動(落下)」から話が始まります。

地球上で投げ上げられた物体は放物線(2次関数のグラフ)を描きます。

時間とともに、ある高さまで上昇したら、その後は下降します。

その下降する速さは、時間と共にどんどん速くなります。

勿論「落下距離」どんどん大きくなります。

これは「微分方程式」を解くことで説明できるのですが・・・・…

そうすると空高くから落ちてくる「雨の水滴」も

時間が経つごとにどんどん速くなり、体に当たると痛いはずです。

ところが、そんなに速く落下してきません。

この現象も「微分方程式」を解くことで説明できます。

「雨の水滴」は「ある速さ」までしか加速しないのです。

この速さは「終端速度」と呼ばれるもので、高校で学習します。

次は「ばねに吊り下げたおもりがゆらゆら振動すること」の説明です。

当たり前に思える現象も「微分方程式」を解くことで説明できます。

「ネズミの増え方」についても調べることができるそうです。

ある条件のもとでは、一定数までしか増えないことが示されました。

次に「微分方程式」をはじめとする「数学」の発展について講義は続きます。

話は「十字軍」からスタートし、「イスラム教」におよび・・・・

「大航海時代」「フランス革命」「ナポレオン時代」を経て現代に繋がります。

イギリス、ドイツとフランスの立場の違いが数学の発展にも影響しているそうです。

数学も「人の営み」と共に歩みを続けています。

高校で学習する「三角関数、指数関数、対数関数は人間社会で必要なもの」であることも実感できる講義でした。