報告

【SS探究総合】第 20 回 理研で進展する元素変換科学ー宇宙での元素進化ー

本日 (2/7) の SS 探究総合では、理化学研究所 仁科加速器科学研究センター長の櫻井 博儀先生に講義「理研で進展する元素変換科学ー宇宙での元素進化ー」を行っていただきました。

櫻井先生には、年末に理化学研究所見学会 (☞ 理化学研究所見学会について) を行った際に施設を案内していただきました。

見学会に参加した生徒は、前回抱いた疑問を解消しながら今回の講義を聞いていました。

 

 

まずは、「物理学の極意」から教えていただきました。

すでに 1 年生も学習した運動方程式 (ニュートン方程式) のすばらしさについて知りました。

運動方程式を時間や空間で積分することによって力積と運動量の関係式や仕事と運動エネルギーの関係式が出てくることも学び、現在 2 年生が数学や物理で学んでいることを繋げて研究が行われていることを実感しました。

 

「元素はいかにして生まれ変わってゆくのか? 人間は元素を自在につくることはできるのか?」という問いについて研究者がどのような研究をしているのか教えていただきました。

仁科加速器科学研究センターにある大型加速器施設 「RI ビームファクトリー (詳しくは ☞ こちら) 」では、113 番元素の「ニホニウム」の生成に成功し、現在は 119 番元素の生成を目指しているそうです。

114~118 番元素はロシアで熱い核反応を用いて生成されています。

 

 

 

計算でどのような元素があるか・元素がどのような過程で変化していくのかなどを考える「理論」研究者と実際にモノを用いて元素を作ってみる「実験」を行う研究者が切磋琢磨しながら新たな元素の生成や性質について調べていくそうです。

安定元素や魔法数の存在を推定する理論を裏付けたり、研究者によって推定が異なるものを修正するためには実験による結果が重要になり、実験から出てきた結果を説明するためには理論が必要になるため、どちらの研究も大切であることを改めて実感しました。

 

原子核の中に含まれる中性子の数が 1 つでも違うと性質や変化の過程が異なることには驚きでした。

詳しくは原子核物理学を学びましょう!

 

 

講義中および終了後、生徒や教員からの質問に一つずつ丁寧に答えていただきました。

妄想が膨らむ分野の研究に興味津々の生徒が多く、どの質問でも先生との会話がとても弾んでいました。

 

ニホニウムの色が知りたい、新元素が生まれることで今の生活を豊かにしたいなど思っている皆さん!

是非、物理学や化学を学び、まだ見ぬ元素を櫻井先生とともに研究して発見してください!

 

櫻井先生、ありがとうございました。