日誌

【校長ブログ】夏を逃げた者は、言い訳を語る。夏を戦った者は、夢を語る。

 7月20日、春日部高校では、追悼集会、表彰式、終業式、離任式を行いました。去る7月9日に本校教員がご逝去され、本日、改めて全校生徒、全教職員で追悼集会を行いました。「チーム春高」の仲間が亡くなられたことに対し追悼の意を表します。校長からの紹介の後、1分間の黙祷をしました。教頭、教員からの追悼の言葉があり、応援指導部の指揮の下、校歌を斉唱して追悼しました。ご遺族の方はご都合で急遽欠席となりましたが、教職員・生徒の思いは天に届いたと思います。今回の終業式の校長講話を紹介します。

  明日から41日間の夏休みです。「夏を逃げた者は、言い訳を語る。夏を戦った者は、夢を語る。」これは、受験勉強でも、部活動でも共通する言葉です。習慣になった努力を、実力と呼びます。今の自分に必要なことを、徹底的にやり抜く。そんな夏休みにしてください。

 新型コロナウイルスの第7波に突入したようです。新型コロナウイルス感染症の日本国内の新規陽性者数が7月になってから増加に転じ、埼玉県でも昨日は3380人と、1か月前の6月20日の414人に比べると約8倍になっており、厳重な警戒が必要です。百年前のパンデミック(世界的流行)であるスペイン風邪とはインフルエンザの一種で、1918年から1920年にかけて流行し、世界の人口(当時18億人)の半数から1/3が感染し、全世界で5000万人以上の人が死亡したとされています。スペイン風邪の流行は第1次世界大戦の後半と重なっており、この大戦による戦死者が1000万人だったことを考えると、実にその5倍の人々がスペイン風邪で命を落としたことになります。時の首相 原 敬(1856-1921)、元老の山県有朋(1838-1922)、大正天皇(1879-1926)、皇太子(のちの昭和天皇)(1901-1989)もスペイン風邪にかかりました。政府の要人の感染は連日の会議や宴席が、皇族の感染は展覧会等のイベントでの多くの人との接触がその原因ではないかといわれています。

 このようなスペイン風邪の流行から、我々は新型コロナ感染症について何を学ぶことができるでしょうか。第1には、人の移動や密集がいかに流行を拡大させるかということを思い知らされたことです。第2には、流行は一つの波では終わらないということです。集団免疫を獲得するまで繰り返し流行が起こります。スペイン風邪の教訓を生かすとすれば、私たち一人一人が三密(密閉・密集・密接)を避け、マスクを着用し、手洗い消毒を心がけることで、できるだけ流行のピークを緩やかにすることが最も重要だと思います。夏休みに合宿等を実施する部活動もあります。2週間前からは日頃より厳重に健康観察を行ってください。埼玉県では県内約600か所の薬局・ドラッグストアなどで無料検査を実施しています。県教育委員会は無料検査を受検することを推奨しています。

 スペイン風邪にも感染した原敬首相。「平民宰相」と呼ばれ初の本格的政党内閣を結成した原敬は1921年、現職の総理大臣であった1921年に東京駅で刃物で鉄道職員に刺され、亡くなっています。12日前の7月8日、安倍晋三元首相が銃撃されて亡くなるという衝撃的な事件がありました。私たちは、テロリズムが民主主義を奪い、軍国主義の道へ進んでいった戦前の日本歴史に学ばなければなりません。

 コロナ禍において、気になる兆候があります。7月10日行われた参議院選挙の投票率は52.05%でした。18歳投票率は何パーセントだと思いますか。総務省の速報値では38.67%です。「投票する、しないは個人の自由だ」「1票を投じても意味がない」と考えている人がいるかもしれません。私は現代日本の投票率の低さをとても危惧しています。

 太平洋戦争前の日本は、民主主義が定着していなかったと思っている人も多いかもしれません。1925年に普通選挙法が成立し、当時の人口の約20%にあたる25歳以上の男子に選挙権を持つことになりました。1928年に実施された衆議院議員選挙では投票率は、80.36%でした。五・一五事件(1932年)や二・二六事件(1936年)後のいわゆる軍国主義の時代と言われる1937年の総選挙の投票率は73.31%です。

 日本の国政選挙の投票率が60%をきったのは、2000年代になってからの現象です。投票率の低迷は民主主義の土台を揺るがしかねません。現代の私たちもよく感じている、日本人独特の“同調圧力”、いわゆる「空気」「雰囲気」に流されてはいけません。しっかりと1票を投じる気概を持ちましょう。

 春高生諸君

 元気に挨拶していますか。元気な挨拶は自分を伸ばしてくれます。

 他人に優しくしていますか。他人への優しさは自分を見抜く力をくれます。

 夢を諦めていませんか。夢は今を楽しみ前進する原動力です。

 志高く