2023年9月の記事一覧
【校長ブログ】拓け!2030年代の日本社会~外国人から見た日本の将来~
9月30日、春日部高校では第3回学校説明会を行いました。ご来校いただいた中学生・保護者の皆様に感謝申し上げます。真摯に未来図を描いている中学生・保護者の皆様から、私も大いに元気をいただきました。写真は、生徒による「春高の魅力プレゼン」と応援指導部による校歌斉唱の一コマです。高校も大学も、その学校を訪問してみないと魅力を感じられません。高校受験を控えた中学3年生だけでなく、中学1・2年生の参加者も増えています。春日部高校では、土曜公開授業(10月7日、28日、11月11日、12月2日、1月6日、20日、2月3日、17日)、学校説明会(11月11日、12月2日)、個別相談会(1月6日)などで学校の教育活動を直接ご覧いただけますので、是非ともご来校ください。
先日、『海外メディアは見た 不思議の国ニッポン』(クーリエ・ジャポン編 講談社新書 2022年)を読みました。クーリエ・ジャポンとは、世界中のメディアから厳選した記事を日本語に翻訳して掲載する月額会員制ウェブメディアで、現在の会員数は1万人を超えるそうです。ニューヨーク・タイムズ(米)、ワシントン・ポスト(米)、ル・モンド(仏)やシュピーゲル(独)などの有力メディアの記事などを掲載しています。外国人から見た日本への印象については、高校日本史教科書にも掲載されているジョルジュ・ビゴー(1860~1927)の風刺画が有名です。人は、自国とは異なる文化に触れた時、疑問を抱きます。この本では、外国人記者たちの多くの「なぜ?」を列挙しています。
・なぜ日本人は銀メダルでも謝罪するのか?
・”ファックス”をやめられない理由 ハイテク国の不思議な二面性
・「居眠り」は勤勉の証!? オフィスで、電車で、どこでも眠る日本人
・なぜ日本の若者は「内向き」になってしまったのか?
・名門進学校「開成学園」運動会 「棒倒し」を続ける理由
・日本の若者の投票率はなぜ低いままなのか?
この本を読んでいて、今年1月のBBC(英国放送協会)東京特派員であったルーパート・ウィングフィールド=ヘイズさんの記事「日本は未来だった、しかし今では過去にとらわれている BBC東京特派員が振り返る」を思い返しました。『「さよなら」記事に怒濤の反響 英BBC東京特派員が込めた思い』(2月3日 毎日新聞)、「BBC元東京特派員が10年で学んだこと 愛する日本へのメッセージ」(2月6日 朝日新聞)など、日本国内のメディアでも大きく取り上げられました。
「現状維持は後退だ」という言葉があります。日本の場合、1980年代後半から日本経済はバブル景気を迎え、経済的な成長を遂げました。しかし、その後1990年代前半にバブル崩壊による景気後退が起こり、長期にわたる不況期に突入しました。いつしか、「失われた10年」が「失われた20年」になり、ついには「失われた30年」とも言われています。
教育の世界でも、従来の詰め込み型教育の弊害ともいえる受験競争の過熱化や落ちこぼれ問題の対策として教育改革が行われてきました。平成14(2002)年度からの学習指導要領では、学習内容と授業時間数の削減や総合的な学習の時間の導入など、児童生徒の負担軽減や思考力の向上に焦点を当てた取組が行われました。いわゆる「ゆとり教育」といわれ、その教育を受けた世代(ゆとり世代)が社会で活躍しています。ゆとり世代とは、2002年~2011年の間に義務教育を受けた世代(1987年4月2日生まれから2004年4月1日生まれの世代)のことだそうです。
私は、生徒諸君に次の言葉をいつも語りかけています。
元気に挨拶していますか。
他人に優しくしていますか。
夢をあきらめていませんか。
志高く
春日部高校では、生徒・保護者のニーズにも応えながら、文武両道・質実剛健の教育活動に取り組んでいます。
【校長ブログ】暑さ寒さも彼岸まで~春日部高校大運動会に想う~
9月23日は秋分の日でした。今年も残り99日となりました。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われます。 暑さも寒さもお彼岸の頃には落ち着くという意味。 耳を澄ませば虫の音も聞こえ、今年の厳しかった残暑も和らぎ、しのぎやすくなったように感じます。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は、「大変なことであってもいつか乗り越えられる。だから諦めずに耐えましょう」と励ましのシーンでも用いられる言葉の一つです。春高生諸君の奮闘を期待しています。
9月21日、春日部高校では、大運動会を開催しました。500名以上の保護者の皆様もご来校いただき、春高生の雄姿をご覧いただきました。応援ありがとうございました。
春日部高校の大運動会の歴史を調べてみました。100周年記念誌によると、昭和32(1957)年11月1~3日に運動会と文化祭と統合した第1回春高祭が始まりました。1960年代から春高祭を運動会と文化祭に分け、10月に1週間の期間をあけて分離開催。やがて運動会は「大運動会」と称し、春高祭は文化祭を意味するようになったようです。大学入試において共通一次試験が導入された昭和53(1978)年度から春高祭は6月開催となりましたが、大運動会は秋に開催しています。戦前の記録を見てみると、第1回の運動会は明治36(1903)年の開催です。春高生諸君は先輩たちの努力によって、この一大行事が続いてきたことを胸に刻み込みましょう。
私は春日部高校が7校目の学校勤務となりますが、春日部高校の大運動会と他校の体育祭の違いを感じます。
誰もが活躍できる種目が数多く設定されていること。100m走などはもちろんのこと、走り幅跳びや走高跳びなどの陸上競技、力自慢を競うカロンスロー、知力も大切な腕相撲、千名の春高生が参加する一糸乱れぬ集団演技などユニークな種目もあります。
1時間に及ぶ入場行進。特に3年生がクラスの団結力を鼓舞するだけでなく、春高生活や世相を風刺する姿勢は教員や保護者への説得力があります。
最後に全員での万歳。生徒諸君も人生において「万歳」をすることはなかなかないと思います。私からは万歳の作法について説明しました。①万歳三唱の基本姿勢は直立不動である。 両手は指をまっすぐ下方に伸ばし体の側面にしっかり付ける。②万歳の発声とともに右足を半歩踏み出し、同時に両腕を垂直に高々と挙げる。その際、両手の指をまっすぐに伸ばし両掌を内側に向けておく。決して掌を前にしてはいけない。「降伏」になってしまう。③万歳の発声終了と同時に素早く元の直立不動の姿勢に戻す。④以上の動作を三度繰り返して行う。大運動会の運営をしてくれた体育委員、部活動の諸君へ、一緒に奮闘した仲間たちへ、応援してくれた保護者・先生への感謝の気持ち込めて万歳をしましょうと話しました。爽やかな秋空に千人が感謝の気持ちを込めた万歳三唱をして今年の大運動会は幕を閉じました。
【校長ブログ】知的好奇心への招待~春日部高校の教養講座~
9月8日、台風13号の接近という不安な朝を迎えました。昭和の時代では、「気をつけて登校してください」という注意喚起がありましたが、気象情報やICTの発達した現在では、より具体的な注意喚起が大切です。春日部高校では、「春日部高校 台風接近・大雪等の気象警報発令時に伴う授業対応について」という基準に基づき対応しています。予報では、埼玉県を縦断する進路予想になっていました。台風13号は8日午後9時頃に静岡県の南の海上(東海道沖)で熱帯低気圧に変わりました。台風として上陸はしなかったものの、千葉県、茨城県、福島県では線状降水帯が発生し大雨になりました。この度の豪雨で被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
9月8日、テレビで高校生クイズを放映していました。正式名称は「全国高等学校クイズ選手権で日本テレビの主催で1983年のスタートし、第43回大会とのことでした。かつては全国各地で地方大会も開催され、高校でもポスターを貼っていました。埼玉県予選は西武球場で開催され、かつて私が勤務していた高校で埼玉県代表になって激励したこともありました。埼玉県では県立浦和高校が通算3回の優勝をしています。時代によって「知力」「体力」「運」など路線の変遷があったそうですが、第43回では「知力の甲子園」路線が復活したそうです。私は、番組の後半を見ましたが、「解のない課題に立ち向かう」という、私が春日部高校でテーマとしている内容と重なるフレーズを繰り返していたのが印象的でした。
春日部高校では、授業以外でも生徒の知的好奇心を喚起する取組をしています。校内では、スーパーサイエンスハイスクールの東京フィールドワーク(9月16日開催)とサイエンスカフェ「春高生VS魚(養殖)~日本初の養殖学科の学生に話を聞いてみた~」(9月10日開催)の案内をしています。サイエンスカフェでは、春日部高校OBで、日本初の養殖学を学べる福井県立大学海洋生物資源学部先端増養殖科学科の学生が解説をしてくれます。
日本の大学生の平均勉強時間(授業時間を除く予習・復習・論文などの勉強)は、1日約50分、社会人になると、1日のうち勉強にあてている時間は平均で6分だそうです。日本では社会人は、「単純に時間がない」「休日はプライベートに時間を割きたい」「現状にある程度満足してしまっている」などがあげられるそうです。米国では、大学生は1日約10時間、社会人になってもスキルアップのために勉強しているそうです。
ジャーナリストの池上彰氏は、教養を「生きるためのインフラ」に例えています。教養は、人間としてどう行動すべきかの指針です。教養を学ぶことで、ものの見方が豊かになり、仕事や人生をより充実させられると思います。春日部高校では、高校時代からしっかりと教養を学ぶ姿勢を身につけてもらいたいと思っています。
【校長ブログ】関東大震災から100年~春日部高校シェイクアウト運動に参加~
9月1日、春日部高校では始業式でしたが、100年前の1923年9月1日は関東大震災が発生しました。関東大震災から100年という節目の年を迎えた今年は、埼玉県議会が主催となり、県民や市町村、企業、団体等に参加を呼びかけ、発災当日の同時刻である9月1日に、シェイクアウト埼玉(県内一斉防災訓練)が実施されました。春日部高校は全日制・定時制ともに参加しました。事前に登録した約42万人が参加したとのことです。
春日部高校では、午前8時45分にアナウンスを聞いた全生徒が、その場で姿勢を低くして身を守るなど、1分間ほど動かない安全行動をとりました。1年4組の生徒諸君も真剣に取り組んでいます。
シェイクアウト訓練は、2008年にアメリカで考案された地震災害のための新しい訓練方法で、一斉に参加者全員が机の下に隠れるなど身の安全を図る行動をとることにより、自宅や会社等の日頃の防災対策を確認するきっかけづくりとする訓練です。①まず低く、②頭を守り、③動かない、という3つの安全行動をその場で行うもので、誰でも、どこにいても、簡単に1分程度でできる訓練です。
明治の文豪である夏目漱石の教え子で、物理学者、随筆家でもあった東京帝国大学教授の寺田寅彦(1878-1935)の名言があります
「災害は忘れたころにやってくる」